ブランディング事例 2

KYO BAUM京ばあむ

京ばあむ
CLIENT

株式会社美十

SERVICE
  • ブランディング
  • 商品開発
  • ロゴ
  • パッケージ
  • 店舗・ディスプレイ
  • 販売促進
  • Web

ブランド開発の背景

株式会社美十様(旧 株式会社おたべ様)

株式会社美十様(旧 株式会社おたべ様)は京都に本社を置かれているつぶあん入り生八つ橋 おたべ を主力商品とされている菓子メーカーです。当時の生八つ橋市場は飽和状態、生八つ橋に変わり主力となるお土産菓子商品の開発を目指しておられました。今後京都で伸びるお菓子は何かを念頭に、全くのゼロベースで商品開発に取り組みました。開発当時京都は洋菓子の市場が徐々に伸び出していた頃でしたが定番土産は饅頭、大福や生八つ橋などでまだ和菓子が主流。洋菓子で売れている定番土産は少ない状況でした。

商品開発

  • 当時の商品企画スケッチ

    当時の商品企画スケッチ

市場が飽和状態の和菓子では今後の拡大は見込めないため、あくまでも洋菓子ベースの商品として開発はスタート。丹波黒豆のサンド、平安時代の遊び貝合せにちなんだ貝型マドレーヌ、お麩ラスクetc。京都らしい食素材+文化やデザインとして想起される京都らしさ。両側面からアイデアを提案しました。当時はちょうどバームクーヘンブームの初期段階。関西圏でも専門店がちらほらとでき始めた頃でした。これからよりバームクーヘンが浸透、人気が出ることを想定し最終的に京都(日本文化)の象徴である十二単をヒントに色(素材)違いの層を重ねたバームクーヘン案に絞られ、商品開発が進みました。京都を象徴する素材である抹茶や小豆、豆乳に加え人気フレーバーのチョコレートなどあらゆる素材と層の組み合わせを美十様に試作いただきました。決定したのは宇治抹茶と豆乳の組み合わせ。味のバランスや見た目のインパクトはもちろん、抹茶は天保七年創業森半の宇治抹茶使用、豆乳も京都産、京都産素材として明確にうたえることがより京都らしい商品として強くアピールできるのではとの考えからです。

デザイン開発

ネーミング

京とバームクーヘンを掛け合わせた「京バウム」を少し変化させて「京ばあむ」に。ばあむを平仮名表記にすることでよりふんわり柔らかい印象と商品名としての独自性を持たせました。

パッケージ

「京」の文字とバームクーヘンのビジュアルを図案化した筆文字ロゴをシンボリックにレイアウト。京都らしさの象徴として書を用いました。数ある土産商品の中、店頭で埋もれず印象に残るようキャッチーなデザインを狙いました。また、商品自体が抹茶の美しい緑と白の層。パッケージはあえて多色にせずし商品がたつように計算しました。箱は貼箱を採用。質感のある紙を使い、仕上げは赤ゴムをアクセントに施すなど細部までこだわり上質なイメージに仕立てました。
お菓子自体がこだわりある商品。その価値が伝わるよう一般的なお土産のイメージからは一線を画した見せ方、専門店感のあるデザインを目指しました。

紙手提

紙手提も箱同様筆文字ロゴをシンボリックに。紙手提は購入した方に持ち歩いてもらえる重要な宣伝ツール。京都の街中で映えるデザインに仕上げました。

その後の展開

京都土産として好調、京都を代表する定番土産となった京ばあむ。その後、京ばあむブランドとして季節限定や清水店(京都清水寺の参道に位置する店舗)オリジナルデザインなどの限定商品の展開をいたしました。いずれも白×黒の京ばあむの世界観を踏襲。らしさを残しながら版画風イラストで彩りを加えました。

お菓子そのものがキャッチーであることから京ばあむブランドとして京ばあむショコラ、サブレなどを展開。
また、京ばあむのアレンジメニューを取り入れた 物販+カフェ業態の「京ばあむカフェ」も展開されております。